国産ごまの希少性と健康効果 | 宮崎県三股町の無農薬・無化学肥料栽培のみまたんごま

和食や中華、胡麻ドレッシングに胡麻和えなどなど、私たちの食卓で欠かせないのが「ごま」です。

創業200年以上の老舗ごま油の製造会社など、日本にはたくさんのごま専門の会社があれど、どこも製法についてはこだわりを謳っていますよね。しかし実際、ごま自体はどこで生産されたものか、ご存知ですか？

日本が消費しているごまは年間約15万トン（2021年）ですが、国産ごまの収穫量はわずか約40トンで、割合にするとたった0.026％しかないんです。つまり、「国産のごま」は大変希少な存在だったということをご存知でしたか？

国産ごまの自給率が低下した要因
海外からのごま輸入と問題点
宮崎県三股町での国産ごま生産
良質な胡麻油の健康効果

国産ごまの自給率が低下した要因

70年ほど前は6000トンを超える収穫量がありましたが、現在では自給率が0.1％未満にまで下がってしまいました。その要因には、他の農作物と違い収穫・調整作業に手間がかかることや、ほぼ全ての工程で機械化が進んでいないことなどがあげられます。また、ごまは日照りなどにも強い植物ですが、土壌の違いや気候によって生育具合に波が生まれます。

海外からのごま輸入と問題点

そこで日本は主に、ごまをアフリカ大陸、中南米の国々から輸入するようになりました。しかし、それでも安定供給とはいかなく、ごまは海外の情勢によって、不安定な状態が続いています。

また、その中でも最大の要因は、中国のごま消費量の急拡大です。

以前の中国はごまの生産地としてごまを輸出する側でしたが、2004年頃よりごまの輸入量が増え始め、現在では日本の4～5倍以上を輸入するような消費大国となり、需給バランスが安定しない要因の一つとなっています。

他にも、世界的に主要な生産国であるインドの残留農薬問題が挙げられます。インド産のごまで、残留農薬基準を大幅に超えていたことが発覚し、EUはごまの輸入をインドからアフリカや中南米に切り替えました。それが価格に影響しています。

またアフリカ産の問題は、未就学児など子どもの労働搾取問題です。また、輸入の際のカビ毒などの汚染問題、それの対処としてポストハーベストの問題（収穫された農産物の輸送や貯蔵中におけるカビや病害虫による被害防止のために、収穫後に農薬を使用すること。）など、安全で安心なごまはとてもとても少ないということです。

宮崎県三股町での国産ごま生産

こうした状況の中、2008年12月に、シラス土壌で水はけが良い宮崎県三股町で、一つのプロジェクトが始まりました。それは、元サラリーマンたちが結成し、三股の自然を生かした農業を復活させようと、国産ごまの生産に乗り出しました。

当初は農業経験者がわずか２名だったところ、現在は３５名まで生産農家が増え、消費者の「安心安全な農作物」への意識変化も加わり、ますます注目を浴びています。

この元サラリーマンたちは平均年齢65歳を超える「若者たち」。栽培中に一切の化学肥料や農薬を使わず、間引き、植え付け、主格作業も全て手作業を中心に行なっています。

現在は後継者も少しづつ増え、2018年には連作障害を避けるため、えごまの栽培にも着手し、同じく無農薬無化学肥料で育てられた国産のえごま油ということで、多くのファンを増やしています。