日本の食文化 – 小鉢料理と別盛りの意味

健康レシピ


私たちのYouTubeチャンネル【Nihonjinfufu~小さな団地でサステナブルな暮らし~】の視聴者は、ほとんど海外の中華圏の方ですが、よく動画に

「一人一人別盛りにしてたくさんの食器を使う日本人の食卓は、片付けが大変そう!」とコメントされます。笑

中華圏の方々は円卓に大皿で料理を並べ、取り皿を使うことなく、ご飯の上に好きなおかず好きなだけ乗せて食べる風習から、ちまちまと小さな小皿が並ぶ我が家の食事風景が一種異様に映るのかもしれません。

しかし、私たちはそのような文化でずっと育っているので、実は言われるまで、特に感じたことはありませんでした。

小鉢料理の歴史と背景

私たち日本人の小鉢に盛る文化は、お皿が並んで目で見て楽しい、なんていう意味だけではありません。

元々テーブルの文化ではなく、畳の上や床の上に直に座り、お膳と言って一人サイズの脚のついたおぼんに乗せて、正座をして食事をとるのが昔の日本でした。

実は私も小さい頃、母の生家に行くと、まだそのような食事スタイルをしていたのでよく覚えています。ちなみに厨房は土間にあり、カマドがありましたし、お風呂も薪で五右衛門風呂というトラディショナルスタイル。母屋と別棟や蔵や馬小屋などなどが敷地内で分かれていて、トイレがなんと馬と牛を飼っている小屋の隣なので、母屋を出て外を通らないとトイレに行けないというびっくらポンな家でした。笑

そんな家で育った私の母は、私たちが小さい頃から、それぞれ一人一人の好みに合わせて、味を変えたり、組み合わせを変えて、料理を別々に盛って並べてくれました。(流石に東京でしたのでテーブルの生活でしたが。笑)

個人の好みや健康状態に合わせた料理

例えば小さい頃、私だけアレルギー体質がひどかったので、母は私のお皿にアレルギー食材が入らないように気をつけてくれました。思春期には姉がニキビに悩まされるようになり、そのために脂質の少なめな料理を作ってくれました。父は毎晩晩酌をするので、お酒のつまみになるような料理が並びます。また、仕事で突然帰りが遅くなっても、別盛りにしていれば箸が入ってない綺麗な状態で食べられるので、とても衛生的です。

バランスの取れた食事と食べ過ぎ防止

それと、別盛りにすると、自分の好きなものだけを集中して食べるというわけにはいきません。栄養のバランスを考えて均等に盛ることで、食べ過ぎを防いだり、反対に嫌いなものを見つけて、調理に工夫してくれました。また体調が悪くて食べれない時は、私の分だけ消化に良い食事にしてくれたりと、とても愛情をかけてくれてたんだなと今改めて感じます。

自分のペースで食べられる利点

また、別盛りだと誰かと料理を取り合うことがないので、ゆっくりと自分のペースで食べれるというメリットもあります。私はせっかちなので、どうしても早食いしてしまいます。そのような時も、「いただきまーす。」と声を掛け合って一斉に食べ始めるので、よく噛んで食べなさい!と怒られたものです。

なぜかこれは私の偏見なんですけど、中華圏のお子さんを見てると、長男はだいたい少しぽっちゃりめで、次男や下の妹さんはスラリと痩せているという、兄弟なのに体型にアンバランスさを感じることがあります。
多分食事ペースが合わなくて、家庭内生存競争に下の子は負けてしまっているのだろうと勝手に(笑)想像しています。

食事のマナーを学ぶ機会

別盛りの文化は、この部分がすごく大きいと思っています。それは、「この場所はあなたのスペースですよ。」と決めらているので、お行儀よく食べなくてはいけないという暗黙のルールを躾けられているように感じます。

テーブルクロスを汚さないように綺麗に食べる訓練を実はさせられていたのかもしれません。

また、お箸やお茶碗の持ち方や扱い方、お皿の並べ方(ご飯茶碗は左、お味噌汁は右など。)それと、くちゃくちゃと咀嚼音を出して食べたりしたら、父にひどく叱られました。

中華圏の方々は咀嚼音や箸の持ち方など全く気にしない方がほとんどですので、移住した日本人は少し戸惑うかもしれませんね。まぁそれはそれで、「小さいことは気にしないおおらかさ。」と表現するのが正解でしょう。

まとめ

そんな感じで、日本文化は料理だけでなく生活様式にまで多岐にわたっているので、思いついたらまたおいおい文章にしてみたいと思います。

小確幸商店
miko

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