みなさんに最近よく見る糖質オフ食品は利用しますか?
今日はそれらについてまとめてみたいと思います。
それでは〜いってみよう!
糖質オフ食品の人気と疑問点
近年、スーパーやコンビニの商品棚を見渡すと、糖質オフという表示が非常に増えていることに気づきます。
レトルトご飯、パン、カップ麺、パスタ、シリアル、ハム・ソーセージ、レトルトカレーなどの食品から、チョコレート、クッキー、キャンディ、アイスクリームなどのお菓子類、さらにはソフトドリンク、ビール、調味料に至るまで、まさに一大市場となりつつあります。
この20年ほど、日本では「糖質制限ダイエット」が流行しています。もともと糖質制限食は糖尿病の治療の一環として行われていましたが、ダイエットにも応用できるとして紹介されて以来、爆発的に広まりました。
糖質制限ダイエットについては、短期間で行う分には非常に効果があるけれど、長期間続けるものではない、リバウンドしやすいなど、見解が分かれています。近年ではマウスの実験で長期的に続けると老化が早まるという結果を指摘する人もいます。
私的には、過度に何かを制限することは長期的に見てあまり好ましくないと思っています。
それよりもバランスを意識して、自然なもの、人工的な処理がされていないものが好ましいと考えています。
ですので、今流行りの「糖質オフ食品」には、思わぬ「落とし穴」があるように思えてなりません。
糖質オフ食品に潜む人工甘味料の問題点
チョコレートやお菓子など、本来「砂糖」が使われるべき食品を「糖質カット」するためには、代替品として「人工甘味料」が使われます。最近よく使われるのは「スクラロース」「アセスルファムK」「アスパルテーム」などで、新しいものが開発されると流行も変わります。
これらの人工甘味料はカロリーがほぼゼロなので、「糖質オフ食品」を作る際に便利です。しかも価格は砂糖よりはるかに安く、「アセスルファムK」は砂糖の200倍、「スクラロース」は砂糖の600倍の甘みを持ちます。つまり少量でよく効くため、コストパフォーマンスが良いのです。お菓子や清涼飲料水だけでなく、卵焼きなどのお惣菜にも「砂糖不使用」とうたうために使われます。
人工甘味料は国が認可したものではありますが、専門家の間でも賛否両論があり、長期的に摂り続けた場合の安全性を懸念する声もあります。
要は、糖質オフ食品は「砂糖は摂らないけれど、人工甘味料は摂る」ことになるわけで、糖質はカットできても、果たして体にとっては健康的なのかどうなのか甚だ疑問です。
糖質オフビールの味わいの問題
お酒の世界でも糖質オフが流行っていて、「糖質オフビール・発泡酒」ばかりか、「糖質オフ日本酒」というものまで出ています。
私たち夫婦はビールが大好きなので、もちろんこれらのお酒を飲んだことがありますが、ハッキリ言って少なくとも私には、「おいしい!」と心から感じたことは一度もありません。ビールに似ていて非なるもの、という位置付けです。
というのも、お酒やビールの「うま味」というのは、そもそも中に含まれているでんぷんやブドウ糖といった糖分があるからで、「糖質オフ」にしているということは、それが抜けてしまっているんですから。
ビールはまず、ビール大麦を発芽させて麦芽を作ります。この麦芽を砕いて、温度管理をしながら仕込みを行います。この過程で麦芽に含まれるでんぷんが、酵素の働きで糖に変わり(糖化)同時にたんぱく質もアミノ酸に変わります。
これをろ過してホップを加え、煮沸します。ホップを加えることで、ビールに特徴的な苦味や香りが付与されます。また、煮沸することで、酵母にとって好ましくない雑菌が除去されます。
発酵の際、すべての糖がアルコールに変わるわけではなく、一部は残留します。この糖やアミノ酸のおかげで、ビールのあの「芳醇な味わい」と「独特の風味」が醸し出されるのです。
「ビール」と「発泡酒・新ジャンル(第三の)ビール」の違いは「麦芽の量」と「副原料」です。発泡酒や新ジャンルビールは、税金対策で「麦芽の使用量」が少ない、あるいは麦芽を使っていないから、簡単に「糖質オフビール」を作ることができます。しかし麦芽が少ない、またはゼロだけに、「ビールのうま味」が足りません。
そのため、「副原料」に加えて、「人工甘味料」「糖類」「酸味料」「調味料(アミノ酸)」などで味を補うのです。色も薄いから、「カラメル色素」を使ってビールっぽい色を付けたりします。つまり、それらのビールには「副原料」に加えて「添加物」が大きな役割を担っているのです。
実際にどんな材料で作られているのか、もう少し掘り下げて、それぞれの「裏ラベル」を見比べて解説しましょう。
【ビール】
麦芽、ホップ、水
【発泡酒】 ※主に「添加物」でビールに近い風味を再現
麦芽、麦芽エキス、ホップ、大麦、糖類、酵母エキス、食物繊維/酸味料、乳化剤、香料、カラメル色素、甘味料(アセスルファムK)
【新ジャンル(第3のビール)】 ※主に 「副原料」でビールに近い風味を再現
麦芽、麦芽エキス、ホップ、コメ、コーン、スターチ、糖類、スピリッツ(大麦)、 食物繊維、大豆たんぱく、酵母エキス/調味料(アミノ酸)、甘味料(アセスルファムK)、カラメル色素
ビールに比べて、発泡酒、新ジャンルビールには、「麦芽」「ホップ」以外の、さまざまな「添加物」や「副原料」が使われていることがわかります。
ちなみに「糖質ゼロビールなのに、なぜ糖類が入っているの?」という質問をよく受けますが、「糖類はアルコールの原料のために加えられており、 最終製品にはほぼ残らない」というのがメーカーの言い分です。
ただ、そもそも「糖質ゼロ」と謳っていますが、法律的には「100ミリリットルあたり糖質0.5グラム未満」なら「糖質ゼロ」と表示できるので、本当の意味での”糖質ゼロ”ではありません。言葉のイメージのみで過信せず、きちんと「裏ラベル」を見ることが大事という好例です。
一般論として発泡酒のほうが新ジャンルビールより「添加物」が多く、「副原料」は発泡酒より新ジャンルビールのほうが多くなる傾向にあります。
発泡酒は税金対策で麦芽を減らした分、コメ、コーンスターチなどの「副原料」を使うことでビールに近づけていますが、総じてビールに比べてそれだけだと物足りなさがあるので「添加物」で補充することになります。あくまでもビールに近づけ「代替品」に仕上げるためです。
一方、新ジャンルは、麦芽をまったく使っていなかったり、発泡酒を原料に炭酸水とアルコール(スピリッツ)で増量していたりします。「麦芽の使用量」がさらに少ない、あるいはゼロのため、「副原料」にさまざまな食品を使います。たとえば「大豆たんぱく」は発泡性(泡立ち)をよくするために使われたりします。
いずれにせよ、発泡酒や新ジャンルビールは、「麦芽の量」を減らすことで、「糖質」を減らし、その代わり、「添加物」や「副原料」で味を補っているのです。だから糖質がゼロでもビール風味の味になっているのです。
また、ビールは麦芽のでんぷんが酵素の働きで糖に変わることで、独自のコクや風味が出ますが、「糖質オフ」で糖分が少なくなると、そのコクや風味が生まれにくくなります。
「糖質オフ」をうたう「発泡酒」や「新ジャンルビール」の中には、「酸味料」「乳化剤」「カラメル色素」「調味料(アミノ酸等)」「酸化防止剤」「アセスルファムK」「香料」などが使われているものも売られています。
本来、ビールの原料は「麦芽、ホップ、水」なのにもかかわらず、です。
酒飲みの一意見として言わせてもらえば、そういう商品では「ビール本来のおいしさ・楽しさ」を十分に感じることができないばかりか、アルコール摂取の心配よりも添加物摂取の方が心配です。
糖質オフの効果は限定的
しかし、糖質オフ食品で減らせる糖質は、はたしてどのぐらいなのでしょうか。たとえば、ビールの糖質は100ミリリットルで大体3グラムほどです。350ミリリットル缶で10グラムちょっと、500ミリリットル缶でも15グラムです。
ここでがんばって10グラムの糖質をカットしたとしても、お菓子やジュース、缶コーヒーを飲んだら、帳消しどころか、糖質超過だと思いませんか?
要は、糖質オフ食品で少量の糖質をカットしたところで、お菓子や甘い飲み物などで糖質を摂取していたら意味がないのです。
どうも「糖質オフ食品」を一生懸命選んでいる人に限って、そういうバランスの悪さがあるような気がします。
まとめ
本来の作り方から何かを取り除いたり、加工したものは、必ず添加物が含まれることに注意してみてはいかがでしょうか?
糖質オフ食品は、一見健康的で魅力的に見えますが、人工甘味料や添加物の問題、味わいの犠牲など、さまざまな落とし穴があります。特に糖質オフビールは、本来のビールの味わいを十分に感じることができないでしょう。
また、糖質オフ食品で減らせる糖質は限定的で、他の食品で糖質を摂取していては意味がありません。
健康的な食生活のためには、バランスが大切です。自然のもの、加工度の低いものを選ぶことを心がけ、過度な糖質制限に頼るのではなく、全体的なバランスを考えた食事を心がけましょう。
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