私たちの日常生活に欠かせなくなっているシャンプーやリンス、トリートメント。しかし、これらに含まれる「界面活性剤」という化学物質が、私たちの健康に深刻な影響を与える可能性があることをご存知でしょうか?
特にトリートメントやリンス、柔軟剤、消臭剤に含まれる「陽イオン界面活性剤」は、見過ごせないリスクを抱えているのです。
界面活性剤とは?
界面活性剤は、水と油のように本来は混ざり合わない物質を混ざり合わせる役割を果たす化学物質で、シャンプーやトリートメントに限らず、食器用洗剤から化粧品まで、幅広く使われています。
しかし、これらの化学物質が体内でどのような悪影響をもたらすのかについて、ほとんどの人が知らないまま使用しているのが現状です。
界面活性剤の種類
界面活性剤には大きく分けて4種類あります。
ここで細かく説明していると長くなるので、詳しくは日本界面活性剤工業会の説明ページをご覧ください。
私たちの生活に深く関わるものとして、特に陰イオン界面活性剤(アニオン界面活性剤)と陽イオン界面活性剤(カチオン界面活性剤)があります。
洗浄力の強い陰イオン界面活性剤の問題
シャンプーに含まれる「陰イオン界面活性剤」は、髪や頭皮に付着した汚れをしっかりと落とす一方で、その強力な洗浄力が頭皮のバリア機能を破壊し、乾燥や刺激を引き起こします。結果として、髪に静電気を帯びやすくなり、シャンプーだけだと洗い上がりが軋むのです。
そこで、その対策として使われるのが「陽イオン界面活性剤」です。
なぜ私たちはシャンプーで髪をきれいに洗った後なのに、さらに化学物質であるリンスやトリートメントを使わなければならないのでしょうか?それは、反極にある陽イオン界面活性剤であるリンスやトリートメントで、髪や頭皮を中和して手触りを良くするためです。
しかし、この「陽イオン界面活性剤」こそが、身体に大きなリスクをもたらしているのです。
陽イオン界面活性剤が体に与える影響
「陽イオン界面活性剤」は髪や頭皮の静電気を抑えるために使われますが、実際には私たちの体に深刻な悪影響を及ぼす可能性があります。アメリカ・バージニア工科大学のテリー・フルベック教授の研究によれば、この化学物質は人間の健康に大きなリスクを伴っていることが明らかにされています。
実験が示す陽イオン界面活性剤のリスク
フルベック教授は、研究で使われるラットの檻を、今までの「陰イオン界面活性剤」の洗浄剤から「陽イオン界面活性剤(Quat)」の洗浄剤に変更するというシンプルな試みが行われました。
その結果、オスラットの精子数が著しく減少し、メスラットの排卵回数が大幅に減り、どちらも生殖機能が低下するという驚くべき結果が確認されました。さらに、出生した子ラットには奇形や発達異常が多く見られるなど、次の世代にまで影響が及んだのです。
通常、ラットの繁殖ではこうした先天的な異常は稀ですが、Quatを使用した環境下では、次の世代にまでその影響が及んだのです。
さらに驚くべきことに、オスだけに陽イオン界面活性剤を曝露させた場合でも、後の世代で先天異常の発生率が高くなりました。つまり、この化学物質は遺伝子にまで影響を及ぼす可能性があることが示唆されています。
Quatは細胞膜(油で出てきている)を破壊するほどの強力な作用を持つため、遺伝子の異常を引き起こしやすく、これが繁殖能力や出生児の健康に深刻な影響を与えるのです。
陰イオン界面活性剤と陽イオン界面活性剤の比較
通常の陰イオン界面活性剤に比べ、陽イオン界面活性剤がもたらす健康リスクは圧倒的に大きいことが、フルベック教授の実験で明らかになっています。例えば、陰イオン界面活性剤を使った場合、先天異常の発生率は0.1%に過ぎませんが、陽イオン界面活性剤を使用した場合、その数字は150倍の15%にも上るのです。
この実験結果からも分かるように、私たちが普段何気なく使っているリンスやトリートメント、さらには柔軟剤や消臭剤には、非常に大きな健康リスクが潜んでいるのです。
特に、最近の柔軟剤に含まれるマイクロビーズは、この陽イオン界面活性剤を使って、いい香りを持続させる構造になっています。さらに消臭剤は、化粧品でも洗剤でもないため、使用基準値を政府が制限しておりませんので、どれほど含まれているか表示義務もなく不明で曖昧です。
このような危ないものを、小さなお子様やペットを飼っていらっしゃるご家庭は、相当注意をしないといけない化学物質です。
化学物質過敏症の実態と対策 ~健康を守るための生活習慣とは~
致死量の驚異:LD50と陽イオン界面活性剤
陽イオン界面活性剤のもう一つの恐ろしい側面は、そのLD50(致死量)にあります。
LD50とは、化学物質がどの程度の量で半数の動物を死亡させるかを示す指標です。
通常のシャンプーやボディソープに含まれる陰イオン界面活性剤の場合、体重1kgあたり2700mg程度で致死量に達します。しかし、陽イオン界面活性剤(Quat)の場合、その量はわずか50mg。つまり、陰イオン界面活性剤の50分の1の量で命に関わるリスクがあるのです。
これを人間に当てはめると、体重50kgの人の場合、わずか2〜10gのQuatを摂取するだけで半数が死亡する危険性があることが示唆されています。家の中で毎日のようにファ○リーズを振りかけているご家庭を想像するとゾッとします。非常に強力かつ危険な化学物質であることがわかります。
日常生活でのリスク:リンスやトリートメントの長期使用がもたらすもの
日常的に使用されているリンスやトリートメント。柔軟剤や消臭剤に比べれば、このQuatが含まれる量は限られています。しかし、これが毎日頭皮に使われていたら、どうなるでしょうか?
長期間使用することで皮膚に直接触れ、細胞膜を破壊する可能性があります。さらに、洗いすぎによる乾燥で痒みが出て、掻きむしったら、、、毛細血管から体内に入ることは大いにあります。
しかも、これらの化学物質は長期的に使用することで、ホルモンバランスの乱れや生殖機能の低下、さらには遺伝子レベルでの影響を及ぼす可能性もあるのです。
また、お化粧品にも大量の界面活性剤が含まれています。ハンドソープ、ボディソープなどは泡を立たせるため、乳液、美容液、クリームなどは乳化させるため。本当に恐ろしいほど生活の中に界面活性剤は多く使われているんです。
化学物質過敏症のリスク
過去には、リンスやトリートメント、柔軟剤を使用した家庭で、アレルギー症状や呼吸困難、倦怠感、頭痛を訴える人が増加したという報告もあります。これらは化学物質過敏症の一種であり、特に敏感な人や小さな子供に対して深刻な影響を与えることがあるため、注意が必要です。
脱シャンプーと肌断食がもたらす健康へのメリット
フルベック教授の研究が示すように、私たちの日常で普段何気なく使用している化学薬品には、非常に大きなリスクが潜んでいます。リンスやトリートメントに含まれるQuatは、一時的な美容効果をもたらす一方で、長期的には健康に深刻なダメージを与える可能性があります。これらのリスクを回避するために、今注目されているのが脱シャンプーや肌断食の実践です。
脱シャンプーとは?
脱シャンプーとは、シャンプーやリンス、トリートメントになどの化学物質を使わずに、お湯もしくは石鹸だけで、頭皮と髪を洗髪し、自然な皮脂のバランスを取り戻す方法です。
実はシャンプーを使わないことによるメリットよりも、リンスやトリートメントに含まれる陽イオン界面活性剤の暴露から離脱し、髪と頭皮を化学物質から解放するメリットの方が遥かに大きいのです。
肌断食のメリット
また、肌断食も皮膚に使う化学製品を最小限に抑え、皮膚本来の再生能力を高める方法です。
過剰な化学物質を使用せずに、肌が自ら回復する力を促進するため、肌のトラブルを根本的に解消する効果が期待できます。
実践方法:脱シャンプーと肌断食を始めよう
もし、この記事を読んで脱シャンプーや肌断食を試してみたいと思ったなら、すぐにでも始められます。まず、ボディミトンを両手にはめて、頭皮や身体をお湯で優しく洗ってみてください。特殊製法のオーガニック綿糸が、余分な皮脂や汚れを落とします。また、使用前にブラッシングして汚れをある程度落としておくことをおすすめします。
油分が多い方には、スカラップパウダー水も効果的です。PH12の強アルカリ水ですが、「化学熱傷」はありませんので安心してお使いください。もし髪が軋むようでしたら、最後にクエン酸水をスプレーして洗い流せばツルツルです!
また、トリートメントの残留成分で背中に吹き出物ができている場合は、ボディタオルで優しく擦り洗いすることが重要です。
できたら何も使わずに、お湯だけで洗ってください。明治時代に生み出されたガラ紡というオーガニックコットンでできた綿糸は、通常の糸より空気を含み、皮脂汚れを優しく落としてくれます。
フェイス洗いにはこちらのミニミトンはいかがでしょうか?指3本が(人差し指、中指、薬指)すっぽり入る小さいサイズのミトンです。
使用後は軽くお湯で洗って、洗面所に吊るしていただければ、乾きもとても早いです。たまに煮沸消毒か、スカラップパウダー水で洗ってあげてくださいね。
小鼻や耳の裏まで、小回りが効くので洗いやすいです。簡単なお化粧でしたら、お湯とこれだけで落とせます。
まとめ:健康な体と美しい髪を守るために
シャンプーやリンスに含まれる界面活性剤のリスクは、私たちの生活に深く関わっています。
短期的な美容効果にとらわれず、長期的な健康を守るためには、脱シャンプーや肌断食を取り入れることが大切です。
少しずつ化学物質から解放され、健康でクリーンな体を手に入れましょう!
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